顎下脂肪吸引のダウンタイム完全ガイド|症状・経過・回復の工夫まで解説

顎下の脂肪吸引を考えるとき、多くの方が気になるのが「ダウンタイムはどれくらい続くのか」という点ではないでしょうか?
術後に見られる腫れやむくみ、内出血は体が回復している証拠ですが、症状の出方や落ち着くまでの期間には個人差があり、日常生活やお仕事への影響が心配になることもあります。
この記事では、顎下脂肪吸引のダウンタイムについて「どんな症状が出るのか」「どのような経過をたどるのか」「少しでも楽に過ごす工夫」「医師に相談が必要なサイン」をわかりやすく整理しました。
加えて、補助的に使われる漢方や、三浦医師が日々の診療で伝えている独自の視点、安全面に関する情報も紹介します。
正しい知識で、不安を安心に変えるお手伝いができれば幸いです。
本記事は、東京都立広尾病院、日本大学病院、東京都立墨東病院での勤務を経て、業界最大手である湘南美容クリニックで院長を歴任したのち、2025年にPurelys TOKYO CLINICを開院した三浦 航 院長が監修しています。日本美容外科学会・日本抗加齢医学会の正会員であり、VASER脂肪吸引の認定医として専門的な研鑽を積んでいます。 |
目次
顎下脂肪吸引でダウンタイムが起こる理由

顎下脂肪吸引では施術後に腫れやむくみが出ることがあります。これは異常ではなく、体が自然に回復していく過程で見られる反応です。
ここでは医学的な理由を整理し、顎下ならではの特徴についても解説します。
組織損傷
顎下脂肪吸引は、1か所に小さな穴を開け、細い管(カニューレ)を挿入して脂肪を取り除きます。
その際に周囲の血管や細胞がわずかに傷つくため、術後に腫れや内出血が現れます。
例えるなら、果物の房から実を外したときに根元が少し傷つくような状態です。
一定期間が経過すれば自然に落ち着いていきます。
麻酔液の残留
安全に吸引を行うために、施術ではチュメセントと呼ばれる麻酔液を注入します。
この液体の多くは吸引時に排出されますが、すべてを取り除くことはできません。残った麻酔液は一時的に組織内に留まり、腫れやむくみの原因となります。
ただしこれは異常なことではなく、時間とともに体内に吸収されます。多くは数日から1週間程度で自然に引いていくため、過度な心配は不要です。
リスクと注意点
顎下脂肪吸引のダウンタイムは、多くの場合1〜2週間ほどで腫れや内出血が落ち着きます。自然な経過であり、過度に心配する必要はありません。
ただし、通常の回復と区別すべき症状もあります。
- 痛みや左右非対称の腫れが急に強くなる
- 赤みや熱感が広がる
- 38度以上の発熱がある
- 強い左右差が長く続くまたは、しびれが何週間も改善しない
このような場合は注意が必要です。
感染や神経の影響など、別の要因が関係している可能性があります。
自然な経過と危険のサインを見分けることが難しい時でも不安があるときは自己判断せず、早めに医師へ相談してください。
顎下脂肪吸引のダウンタイムの経過


顎下脂肪吸引のダウンタイムは一定の段階を経て回復していきます。あらかじめ時期ごとの変化を理解しておくことで、不安を和らげ、生活の見通しを立てやすくなります。ここでは代表的な経過を整理します。
顎下脂肪吸引のダウンタイムで最も多い症状と特徴
経過をご覧いただく前に術後に見られる代表的な症状を簡単にご説明します。
主に、
- 腫れ
- むくみ
- 内出血
- 痛み
- 拘縮
こちらの5つです。
いずれも体の自然な反応であり、顎下の場合は比較的短期間で落ち着きやすい傾向があります。腫れやむくみは術後数日で強く出ますが、日を追って改善します。
内出血は紫から黄色へと色調が変化しながら消えていき、痛みも数日で軽くなることが多いです。
拘縮は一時的な硬さですが、時間の経過とともに柔らかさを取り戻していきます。
施術当日から3日目

術後直後から3日目までは腫れと痛みのピークにあたります。
この時期はフェイスバンドによる圧迫固定を欠かさずに着用しましょう。
腫れを抑えて仕上がりを安定させる効果がありますので3〜7日は常時着用して頂きます。
また、保冷剤などでやさしく冷却するのも良いと思います。
顎下に強い違和感を覚えることもありますが、多くは数日で落ち着くため、安静を心がけることが大切です。
術後1週間前後

1週間が経過すると抜糸ができます。
腫れやむくみは少しずつ和らいでいますが、まだ部分的に残っています。
マスクやメイクで隠せる程度になる方も多く、仕事や学校への復帰を検討できる時期です。
ただし、長時間の会話や強い運動はまだ避け、無理のない範囲で日常生活に戻していきましょう。
※一時的に麻痺がでています。
2週間から1か月

2週間を過ぎる頃には内出血が落ち着き、皮膚の色も回復してきます。
同時に、拘縮と呼ばれる硬さが出始め、触れるとゴリゴリとした感触があることもあります。拘縮は回復の過程で一時的に繊維組織が増えるために起こりますが、自然に改善していきます。
※一時的に麻痺がでています。
術後2ヶ月から3か月で仕上がりが安定

拘縮は術後2〜3ヶ月でピークを迎えますが、その後は徐々に柔らかくなり輪郭が自然になじんでいきます。
3ヶ月を過ぎるとフェイスラインが安定し、最終的な仕上がりを確認できる時期となります。
当院は開院間もないため、まだ3か月後の症例写真は掲載できませんが、症例が揃い次第、公開を予定しています。今後も実際の経過を共有し、より具体的にイメージしていただけるようにしていきます。
顎下は比較的回復が早い部位ですが、個人差もあるため定期的に診察を受けながら経過を見守ることが望まれます。
施術料金 | 【開院キャンペーン】サクションリフト小顔セット / エルサ+クォンタムRF |
施術料金 | 【開院モニター】サクションリフト小顔セット¥264000 / エルサ+クォンタムRFかけ放題¥366,000 / 笑気+静脈麻酔¥66,000 |
副作用・リスク | だるさ・熱感・頭痛・蕁麻疹・痒み・むくみ・発熱・咳・冷や汗・胸痛・吸引部の皮膚が硬くなる、凹凸になる・効果に満足できない・施術箇所の知覚の麻痺・鈍さ、しびれ・皮膚の色素沈着 |
他の部位よりはダウンタイムが出にくい
これまでの説明でも触れてきたように、顎下は脂肪層が比較的狭く吸引範囲も小さいことから、太ももやお腹などの広い部位に比べて腫れや内出血が強く出にくい部位です。
そのため回復も早い傾向があり、社会復帰までの期間が短く済むケースもあります。
もちろん個人差はありますが、顎下の特性を理解しておくことで術後の生活をイメージしやすくなり、不安を和らげながら治療を検討しやすくなるでしょう。
顎下脂肪吸引ダウンタイムの過ごし方

日常生活のちょっとした工夫で顎下脂肪吸引のダウンタイムを快適に過ごすことができます。腫れやむくみを軽減し、社会復帰をスムーズにするための具体的な方法を紹介します。
フェイスバンドを正しく使う
術後に欠かせないケアの一つがフェイスバンドの装着です。
しっかり圧迫することで腫れやむくみを抑え、皮膚と吸引部位を密着させる働きがあります。特に術後3〜7日間は可能な限り着用を続けることを推奨しています。
その後は夜間を中心に1週間ほど継続するのが望ましいです。正しい使い方を意識することで仕上がりが安定し、回復もスムーズに進みやすくなります。
就寝時に頭を心臓より上に置く
睡眠中の姿勢もダウンタイムに影響するため、枕を少し高めにして頭を心臓より上に置き、血流を安定させてください。腫れが軽減されやすくなります。
うつ伏せや横向きは圧迫やむくみを招く可能性があるため避けることが望ましいです。
就寝時の姿勢を工夫するだけで翌朝の腫れ方が変わりますよ。
塩分やアルコール摂取量を抑える
塩分やアルコールは体内の水分バランスを崩し、むくみを悪化させやすいため摂りすぎないように注意しましょう。
体の循環を良くするために水分補給は欠かさないようにして頂き、少量をこまめに飲んでください。
マスクやメイクで隠す
腫れやむくみを直接取り除く方法ではありませんが、日常生活に戻るうえで大きな助けになるのが「隠す工夫」です。
顎下は顔に直結する部位のため、腫れや内出血が気になる方も少なくありません。
マスクやハイネックの服でカバーする方法は、日常生活に戻る際に取り入れられる工夫の一つです。こうした対策を知っておくことで外出時に安心しやすくなる方もいます。
患者さんによって必要性は異なりますが、周囲の視線を気にせずに過ごすための選択肢としてご紹介しています。
漢方でダウンタイムをサポート
顎下脂肪吸引後の回復方法について、患者さまから「漢方は使えますか?」と質問をいただくことがあります。
体質や症状によっては補助的に漢方を取り入れる場合もありますが、自己判断での使用は避け必ず医師の判断のもとで取り入れることが前提です。
ここでは、Purelys TOKYO CLINICの三浦院長が実際の診療で患者さまに説明している代表的な処方をご紹介します。
五苓散(ごれいさん)
体内の余分な水分を排出し、むくみを和らげる目的で用いられる漢方です。
顎下脂肪吸引後に残る腫れや水分停滞に対し、体内の循環を整えることで重だるさを軽減する働きが期待されます。

治打撲一方(ぢだぼくいっぽう)
打撲や捻挫に伴う腫れや内出血に用いられる漢方です。
顎下脂肪吸引後に見られる内出血や炎症に対して血流を整え、体の自然な回復を支えると考えられています。

柴苓湯(さいれいとう)
水分代謝の乱れを整え、むくみの改善を助ける目的で用いられる漢方です。
顎下の腫れや停滞感に対して、特に水分が溜まりやすい体質の方に適応されるケースがあります。
また、傷の治りを助ける働きもあります。ただし「柴苓湯(さいれいとう)」は五苓散と小柴胡湯を合わせた処方のため、五苓散と重複しての使用は避けましょう。

Purelys TOKYO CLINICの顎下脂肪吸引

当院では、顎下脂肪吸引においてダウンタイムをできる限り軽減し、自然な仕上がりをめざす工夫を行っています。
最新の機器や独自の手法を取り入れ、患者さま一人ひとりの骨格や脂肪量に合わせた施術を心がけています。ここでは代表的な特徴をご紹介します。
最新機器エルサ(LSSA)の導入
エルサ(LSSA)は、超音波を利用して脂肪を柔らかくし、吸引をしやすくする補助機器です。
吸引そのものを行うのではなく、脂肪を処理しやすい状態に整える役割を持っています。
組織への負担を抑えながら施術を進めやすく、腫れや内出血の軽減にもつながると考えられています。
脂肪を均一に扱いやすいため仕上がりのラインがなじみやすく、ダウンタイムを短縮したいと考える方に、検討しやすい選択肢のひとつとなります。
クォンタムRFで引き締めを同時に実現
クォンタムRFは高周波エネルギーを用いて皮膚を内側から引き締める技術です。
顎下は脂肪を除去した後に皮膚が余りやすい部位ですが、この技術を併用することでたるみを予防する効果が期待されています。
脂肪吸引と組み合わせることで、より自然で若々しいフェイスラインをめざす工夫が可能です。
クリスクロス法と特注カニューレによる丁寧な施術
当院では、多方向から脂肪を吸引する「クリスクロス法」を取り入れています。
これにより凹凸が出にくく、均一な仕上がりをめざすことができます。
また、顎下専用に設計した特注のカニューレを使用することで、細部まで丁寧なデザインが可能です。立体的で自然な輪郭形成を心がけています。
「取る・残す・整える・足す」
脂肪をただ取り除くだけでなく、必要に応じて残す部分を調整し、全体のバランスを整えることを重視しています。
顎下の脂肪を過剰に取るとコケた印象になりかねないため、適度に残すことも仕上がりを美しくする工夫のひとつです。将来を見据え、立体感を保ちながら自然なフェイスラインを目指す施術を行っています。
詳しくは小顔脂肪吸引をご覧ください。

三浦医師が考えるダウンタイムを乗り越えるためのポイント
顎下脂肪吸引のダウンタイムは、仕上がりを形作る過程の一部です。
当院では患者さまが不安なく回復を迎えられるよう、生活習慣や安全対策についても具体的にお伝えしています。
まず意識していただきたいのは、飲酒や喫煙を控えることです。
アルコールやタバコは血流や回復に影響し、腫れや内出血を長引かせる要因となるため、可能であれば手術前から控えていただくと経過がより安定します。
また、血圧が高い方は内出血や血腫のリスクが上がるため、健康診断で指摘を受けている場合は早めの対応を検討してください。
術後は痛みが強まる前に予防的に痛み止めを服用しておくと、経過がより快適に進みやすくなります。
さらにフェイスバンドによる圧迫は仕上がりを左右する大切なケアです。
術後3〜7日間は可能な限り常時、その後は夜間を中心に継続することで、腫れや血腫を抑え、皮膚と吸引部位の安定につながります。正しく続けることで、より自然なラインが期待できます。
一方で顎下脂肪吸引は、昨年大阪のクリニックで死亡事故が報告されるなど、安全性が注目された施術でもあります。
報告によれば、下顎角が張っている方に直線のカニューレで無理に吸引を行った結果、顔面動脈を損傷し血腫が発生、気道が圧迫されたことが原因とされています。
対策としては顎下にも吸引口を設ける、あるいは曲がった形状のカニューレを用いるなど、解剖学的に適切な方法を選択することが重要です。
また、嗄声(声のかすれ)や息苦しさは気道閉塞のサインとされ、緊急対応が必要になります(参考:美容皮膚科ジャーナル)。
ダウンタイムを前向きに過ごすことに加えて、こうしたリスクを正しく理解し、医師と共有する姿勢が仕上がりを守るうえで欠かせません。
当院では「取る・残す・整える・足す」というデザイン思想を軸に、機器や方法を適切に組み合わせ、将来を見据えた自然なラインを追求しています。
よくある質問
仕事や学校への復帰はいつからできますか?
社会復帰の目安は術後3〜7日程度です。
デスクワークは早めに再開できますが、接客業や人前に立つ仕事は1週間ほど休養をとる方が安心です。内出血が残る場合は、マスクやメイクでカバーできます。
圧迫固定はどれくらい続ければいいですか?
術後3〜7日間は常時、その後は夜間を中心に1週間ほど継続してください。外す時期は医師の指示に従ってください。
内出血や腫れを早く引かせる方法はありますか?
術後3日までは冷却で炎症を抑え、その後は血流を促すケアへ切り替えます。1週間以降は医師の指導下でマッサージや温熱療法を取り入れることがあります。
拘縮はどのくらいで改善しますか?
拘縮は術後2週間ほどから現れ、2〜3か月で最も強くなります。その後は徐々にやわらかくなり、半年ほどで自然に落ち着くことが多いです。触れると硬さを感じても、経過の一部として心配はいりません。
仕上がりは何年後も維持されますか?
除去した脂肪細胞は再生しないとされていますので、長期的な効果が見込めます。
ただし体重増減や加齢で変化はあり得ます。脂肪吸引したからといって暴飲暴食しないように生活習慣を整えることが維持につながります。
まとめ
顎下脂肪吸引のダウンタイムは、腫れや内出血が1〜2週間で落ち着き、仕上がりが安定するのはおおよそ3か月後です。
症状の出方や回復速度には個人差がありますが、フェイスバンドによる圧迫や生活習慣の工夫、医師の指導に沿ったケアを取り入れることで経過を穏やかに進めやすくなります。
一方で、痛みや腫れの急な悪化、発熱やしびれが長引くなど「自然な経過」と異なるサインがある場合には、早めの受診をしてください。
補助的に漢方を取り入れるケースもありますが、必ず医師の判断を経て使用することが前提です。
当院では最新の機器や独自の方法を組み合わせ、ダウンタイムへの配慮と自然な仕上がりの両立を心がけています。正しい知識を持ち、回復過程を前向きに受け止めることが、理想のフェイスラインへの第一歩となります。
カウンセリングへのご案内
顎下脂肪吸引は仕上がりに直結する施術のため、不安や疑問を事前に解消してから検討しましょう。
当院ではカウンセリングを実施し、ダウンタイムの経過や考えられるリスク、日常生活への影響について丁寧にご説明しています。
カウンセリングでは、患者さま一人ひとりの骨格や脂肪の状態を確認し、適した施術方法や回復までの目安をお伝えします。疑問点や不安なことは、どのような内容でも遠慮なくご相談ください。顎下だけでなく全身のバランスを踏まえたデザインをご提案し、納得いただいたうえで治療をご検討いただけるようサポートしています。
まずはカウンセリングを通じて、理想のフェイスラインづくりの一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。
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2014年3月
川崎医科大学卒業
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2014年4月
東京都立広尾病院
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2016年4月
日本大学医学部付属板橋病院勤務
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2020年3月
湘南美容クリニック入職
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2022年4月
湘南美容クリニック京都院院長就任
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2024年11月
湘南美容クリニック町田院院長就任
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2025年8月
Purelys TOKYO CLINIC開院
- アメリカ心臓協会 BLSプロバイダー
- アメリカ心臓協会 PALSプロバイダー
- 日本美容外科学会正会員(JSAS)
- 日本抗加齢医学会正会員
- ベイザーハンズオンセミナー受講
- VASER(ベイザー)脂肪吸引 認定医
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