脂肪豊胸後にやってはいけないこと|大胸筋を動かすと定着率が下がる理由【海外論文付き】#0020


| 診療科目 | 豊胸・バスト形成・豊尻 |
|---|---|
| 施術名 | コンデンスリッチファット(CRF)脂肪豊胸 / エルサ(LSSA) |
| 料金 |
コンデンスリッチファット(CRF)脂肪豊胸:561,000から エルサ(LSSA):エルサかけ放題 ¥165,000 |
| ダウンタイム | ダウンタイム2週間-3ヶ月 |
| リスク/副作用 | 術後には浮腫、内出血、拘縮、疼痛、凸凹、傷感染等が出現する可能性があります。経過で不安を感じた方はすぐにご連絡下さい。 |
はじめに
脂肪豊胸は、自身の脂肪を使って自然なボリュームと柔らかさを実現できる人気の施術です。
しかし「せっかく注入した脂肪がどのくらい残るか(定着率)」は、術後の過ごし方によって大きく変わります。
今回は、脂肪がより長く・きれいに定着するために避けるべき行動を、実際の症例写真と医学論文を交えて解説します。
症例紹介


- 患者情報:26歳、身長162cm、体重51.2kg、BMI 19.3
- 吸引部位:大腿後面・外側・内側
- 注入量:左 320 cc、右340cc
- 使用技術:コンデンスリッチファット(CRF) による分離・精製、脂肪採取後に弛み予防でエルサ(LSSA)を使用。
BMI 19台と細身のため胸のサイズが小さいことを悩んでいました。他院では「とれる脂肪がないので脂肪豊胸は難しい。」と断られていました。
術前は
・お胸の上の部分が削げてしまっている点
・ほんの少しだけ左が大きい左右差
・乳房の下縁のボリューム不足
がありました。

削げている部分は皮下の浅い層に脂肪を注入することで削げ感をなくしました。
下縁は皮下、乳腺下に脂肪を入れることでしっかりとしたバージスラインを作っています。
脂肪が「定着しにくい部位」とは?
脂肪は血流のある組織に馴染むことで生着します。
そのため、筋肉は血流が豊富ですが、常に動く部位は血流の安定が悪く、壊死や吸収のリスクが高いことが知られています。
特に大胸筋内は運動による収縮で圧力がかかりやすく、皮下層に比べて定着率が低いという報告があります。
論文1:筋肉内注入より皮下注入の方が定着率が高い
Intramuscular Fat Graft Results in Lower Retention but Similar Quality Compared with Subcutaneous Counterpart
この研究では、脂肪を筋肉内と皮下にそれぞれ注入した群を比較。
結果として、皮下層の方が血流・酸素供給が安定し、脂肪生着率が有意に高かったことが示されています。
筋肉内注入では、収縮による圧迫と機械的ストレスで脂肪細胞が損傷しやすくなることが原因と考えられています。
論文2:動く部位ほど定着率が下がる
Investigation of the Effect of Mobile and Immobile Regions on Fat Graft Viability: An Experimental Study in a New Model
こちらの論文では、脂肪注入を行った複数の部位の生着率を比較。
その結果、日常的に動かす部位(口周囲・胸部・臀部など)では定着率が低下する傾向が報告されています。
すなわち、脂肪注入後にその部位を動かす=定着率を下げる行為であると結論づけられています。
術後の注意点:大胸筋の動きを避ける
これらの研究からも明らかなように、脂肪豊胸後は大胸筋を使う運動(腕立て・ストレッチ・重い荷物の持ち上げなど)を控えることが非常に重要です。
特に術後2〜3週間は、注入脂肪が新しい血管を得る「生着初期段階」。
この期間に筋肉運動や圧迫が加わると、血流が阻害され脂肪壊死のリスクが上がります。
まとめ
脂肪豊胸の定着率を高めるカギは「動かさないこと」。
特に大胸筋の収縮や圧迫を避けることで、脂肪が血流に馴染み、自然で長持ちするバストが得られます。
術後の生活を丁寧に過ごすことが、美しい仕上がりへの最短ルートです。









