二の腕脂肪吸引:毎日の経過とダウンタイム過ごし方ガイド#0009




| 診療科目 | 機械 / ボディ脂肪吸引 |
|---|---|
| 施術名 | 二の腕脂肪吸引 / エンブレイスターボ / エルサ(LSSA) |
| 料金 |
二の腕脂肪吸引:¥198,000〜¥990,000 エンブレイスターボ:¥330,000 エルサ(LSSA):エルサかけ放題 ¥165,000 |
| ダウンタイム | ダウンタイム2週間-3ヶ月 |
| リスク/副作用 | 術後には浮腫、内出血、拘縮、疼痛、凸凹、傷感染等が出現する可能性があります。経過で不安を感じた方はすぐにご連絡下さい。 |
はじめに
二の腕脂肪吸引を受けたあと、不安に感じるのが「2週間後にはどこまで回復しているか」「見た目・触感・日常動作はどれくらい戻るか」という点です。
このコラムでは、術後2ヶ月までの典型的なダウンタイム経過を「腫れ/内出血」「拘縮・硬さ」「見た目・左右差」「日常生活の注意点」という観点で整理し、患者さんの安心につながる内容をお届けします。
脂肪吸引の仕組みとダウンタイム発生の背景
まず、なぜダウンタイム(腫れ・内出血・拘縮など)が起こるかを簡単におさらいします。
- 脂肪吸引では、脂肪細胞そのものを取り除く操作を行います。この操作により、周囲の皮下組織に刺激や炎症が生じやすくなります。
- カニューレ操作(管を前後方向に操作する工程)では、小さな血管や結合組織に微小な損傷が入り得ます。これにより内出血・腫れが発生します。
- さらに、治癒過程で「拘縮(こうしゅく)」という現象、すなわち傷ついた組織が修復・癒着しようとする過程で皮膚と皮下組織が硬く感じられる状態が生じやすくなります。
- 時間の経過とともにこれらの炎症反応・硬さは軽減し、最終的なライン・仕上がりへと向かっていきます。
過去の上記のまとめ記事はこちら。
これらの原理を踏まえたうえで、術後2週間の時点で起こりやすい状態を見ていきましょう。
二の腕脂肪吸引|2週間のダウンタイムの日々の経過
術前
この方は24歳、身長150cm、体重40.6kg、BMI19.8の方です。
「腕を閉じた時の外への張り出しが嫌。」
「振袖部分がプルプルしている。」
「ダイエットしてもここだけ落ちない。」
よいう悩みで来院されました。


術後3日目
はじめの1日は麻酔の影響もありそこまで痛みはありませんが麻酔が切れてくると痛みが出現します。6時間おきに痛み止めを内服するのがおすすめです。
脂肪吸引をしてから72時間は圧迫をするのでこの期間はシャワーには入れないので体を拭くシートなどを購入しておくことをお勧めします。


術後4日目
圧迫をはずした状態です。
シャワーに入れるようになります。
圧迫で抑えつけられていたおかげで内出血はそこまで出ていません。
圧迫を解除したことでここからむくみと内出血が出ることがあります。


術後5日目
傷が治る過程でかゆみが出てくることがあります。よく保湿をして痒み止めの内服をしましょう。
内出血と晴れのピークはだいたい3-5日目になります。ここから徐々に改善していきます。


術後6日目
内出血の色味が少しずつ黄色くなります。


術後7日目
7日目に抜糸を行います。
抜糸後は入浴、インディバに行くなどが可能になります。


術後9日目
早い人はこのあたりから拘縮が出現します。
拘縮は傷が治る過程なので異常な所見ではありません。
拘縮が出やすいのは肘周りや二の腕の内側になります。


術後11日目
少しずつむくみが改善しています。


術後14日目
2週間が経過すると腫れが落ち着き術前とほぼ同じサイズになります。
内出血も消失します。


術後21日目
3週間目から1ヶ月目が拘縮のピークになります。
かなりカチカチになり動かした時に皮膚が引き伸ばされるピキッとした痛みがあります。


術後1ヶ月目
術後1ヶ月目になると拘縮がかなりスッキリしてきます。
完成度としては70-80%でここから拘縮がなくなることで3ヶ月目までに0.8倍くらいの細さにスッキリします。


術後2ヶ月目
2ヶ月目になります。
術前と比べて体重が2kg増えてしまいましたがそれでも細くなっているのがわかります。
脂肪吸引後に体重が増えると仕上がりに影響が出るので本当は体重は落とした方が良いです。


術後2週間経過時点でよく見られる症状・変化
以下は、術後2週間~3週間あたり(14日から21日頃)に典型的に観察される傾向です。
| 項目 | 典型的な状態 | 解説・注意点 |
|---|---|---|
| 腫れ / 余剰水分 | かなり改善していることが多い | 術後1週間以内にピークを迎えた腫れは、この時期にはかなり落ち着く傾向があります。ただし、完全に消えるわけではなく、軽度のむくみや膨らみを感じる方も。 |
| 内出血(色味) | 赤紫 → 黄色〜淡い黄色へ変化中 | 術後初期は強い赤紫色だった内出血も、2週目には黄色みを帯びて消えていく段階に入ります。色味の変化がゆるやかになったらまず正常範囲と考えられます。 |
| 拘縮・硬さ・突っ張り感 | 皮膚・皮下が少し硬く感じられる | この時期から「拘縮期」に入ることが多く、腕を伸ばしたり曲げたりすると突っ張りを感じやすくなる人もいます。これは治癒反応の一部です。 |
| 痛み・不快感 | 軽度の張り感や違和感程度 | 鈍い痛みや張り感が残っていることがありますが、鋭い痛みや痛みの増強は注意が必要です。 |
| 見た目の細さ・左右差 | 若干の細さを実感できることもある | 腫れが引き始めるため、「実は以前より細くなってきた」と感じられる方も。ただし左右差や微妙な凹凸が残ることもあります。 |
| 皮膚のたるみ・ゆとり | 目立ちにくさが徐々に | 脂肪が減ると皮膚に余裕ができやすいため、たるみが軽く感じられることがあります。皮膚引き締め機器の併用がある施設では、この時期から引き締まりが進み始めている可能性もあります。 |
このように、2週間前後の時点は「腫れが減りつつあるが、硬さ・拘縮は出やすい移行期」と言えるでしょう。
2週間以降に意識したい過ごし方・セルフケア
1. 圧迫着を正しく継続する
この時期も圧迫着の着用は非常に重要です。
むくみや腫れを抑え、皮膚と皮下の癒着を整える役割があります。
1日中着けて過ごすのが理想ですが、かゆみ・かぶれなどがあれば医師に相談しましょう。
2. 激しい運動・長風呂は控える
血流が急に良くなることで、再度腫れや内出血が出ることがあります。
長時間の入浴やジムでのトレーニングは、医師の許可が出るまで控えるようにします。
3. 軽いストレッチを開始(医師の指示後)
拘縮をやわらげる目的で、無理のない範囲のストレッチを取り入れるとよい時期です。
ただし、痛みが強い場合はまだ早い可能性があります。
4. 食生活・睡眠で回復をサポート
- タンパク質をしっかり摂る(鶏肉、魚、豆腐など)
- 塩分を控えてむくみ予防
- 十分な睡眠で組織の修復を促進
5. 異常を感じたら早めにクリニックへ
痛みが強くなる、赤みや熱感が増す、しびれが出るなどの症状は要注意です。
自己判断せず、必ず施術を受けたクリニックに相談してください。
まとめ|2週間経過は“変化の兆しが出る時期”
- 腫れ・内出血はかなり落ち着き、腕のラインが見え始める
- 一方で、拘縮(硬さ・突っ張り感)が出やすくなる
- 圧迫着の継続とストレッチ・生活習慣の見直しが重要
- まだ完成形ではないため、焦らず経過を見守ることが大切
二の腕脂肪吸引の回復過程は個人差が大きいものの、2週間を過ぎると確実に「細くなってきた」と実感される方が多いです。
ダウンタイムを正しく理解し、医師の指示を守ってケアを継続することで、より美しい仕上がりに導きましょう。









