切らずに“内側から”引き締める最新治療─クォンタムRF#0017








| 診療科目 | 機械 |
|---|---|
| 施術名 | 二の腕脂肪吸引 / クォンタムRF(puontumRF) / エルサ(LSSA) |
| 料金 |
二の腕脂肪吸引:¥198,000〜¥990,000 クォンタムRF(puontumRF):エルサ・クォンタムかけ放題 ¥366,000 エルサ(LSSA):エルサかけ放題 ¥165,000 |
| ダウンタイム | ダウンタイム2週間-3ヶ月 |
| リスク/副作用 | 術後には浮腫、内出血、拘縮、疼痛、凸凹、傷感染等が出現する可能性があります。経過で不安を感じた方はすぐにご連絡下さい。 |
「たるみが気になる」「脂肪を取ったあとの皮膚のゆるみが心配」「切る手術は踏み切れないけれど、しっかり引き締めたい」…そんな方におすすめしたいのが、最新のラジオ波(RF)技術を用いた施術、クォンタムRFです。
今回は、症例写真とともにその仕組み・効果・適応・注意点を丁寧にご紹介します。
クォンタムRFとは?
「Quantum RF」は、インモード社(InMode)が開発した、皮下に細いカニューレを挿入し、そこから 8方向へフラクショナルラジオ波(RF) を照射することで、皮膚の“たるみ”を引き締める治療です。ボディ・フェイスラインの引き締めを目的とする最新のRF(ラジオ波)治療器です。
世界的にはスタンダードな治療で海外の有名ドクターのほとんどが使用していますが、機械が高価であり、国内では当院が2番目の導入であり、国内でクォンタムRFを受けられる施設はほとんどありません。
具体的には、以下の特徴を持っています:
- その照射構造により、カニューレ周辺1 mm以内では 組織温度が100℃に達 し、たるみの原因となる帯状の繊維構造「Fibro Septal Network(FSN=脂肪隔壁・皮膚を支える帯状構造)を瞬時に収縮させることが可能です。
- さらに、脂肪を「吸引せずに」減少させる、あるいは脂肪吸引との併用で 4〜6ヶ月後に約25%の脂肪減少 および 皮膚引き締め30〜40%以上 という数値が報告されています。
- 脂肪吸引を併用するケースでは、吸引量を減らして治療時間・体の負担を軽減しながら、仕上がりの質(滑らかさ・引き締まり)を高めることができます。
クォンタムRFの詳細はこちらの記事で。
適応とメリット
- 切開を伴わず、負担の少ないたるみ改善を望む方。
- 短期間でフェイス・ボディラインを引き締めたい方。
- 脂肪吸引後の皮膚ゆるみ・たるみを防ぎたい/修正したい方。
- 従来の痩身治療・外部RF・HIFUで満足できなかった方。
メリットとしては、
- 脂肪減少+たるみ引き締めを同時に叶えられる可能性。
- 脂肪吸引との併用により、より滑らかな仕上がりを目指せる。
- ダウンタイムが比較的少なく、切開・大きな手術を避けたい方に適する
症例のポイント
24歳の女性、151cm、43.5kg、BMI 19.0で純脂肪660cc吸引した方になります。
術前は力こぶを作った時の振袖のたるみ感、腕を振った時にプルプルするのが嫌で来院されました。
術前と比較すると力こぶを作った時の振袖のたるみが減っています。腕もかなり細くなりました。


腕を真っ直ぐに伸ばした時にもシルエットが変わったのがわかります。
クォンタムRFを使用したことによりたくさん吸引しても皮膚のたるみをおさえて真っ直ぐな二の腕になっているのがわかります。


メカニズム/論文エビデンス
RF(ラジオ波)技術の基本原理
RF(radiofrequency:高周波)では、皮膚・皮下組織に熱を加えることで、既存コラーゲン線維の即時収縮(熱収縮)と、加熱による創傷反応を通じて線維芽細胞を活性化し、コラーゲン・エラスチンの再構築(リモデリング)を促します。
この熱効果によって、皮膚のゆるみ・たるみが改善され、引き締まった印象を作ることが可能です。
施術は、以下のような流れです:
- カニューレまたは手技によって組織深部に挿入・加熱(クォンタムRFでは皮下5〜50 mm)
- 熱刺激による既存線維(コラーゲン・エラスチン)の収縮 → 短期的な皮膚・組織の引き締め
- 熱・損傷刺激による創傷反応・繊維芽細胞活性化 → 中~長期的なコラーゲン新生・線維リモデリング
- 結果的に、たるんだ皮膚の内部構造が再編成され、滑らかで引き締まったラインが形成される
論文①:Paul M・Blugerman G・Kreindel M・Mulholland RS「Three-Dimensional Radiofrequency Tissue Tightening: A Proposed Mechanism and Applications for Body Contouring」
この論文では、RF-assisted liposuction(RFAL)という技術を用い、複数の軟部組織レベルに対してエネルギー深達・時間・温度を制御して「3次元的な組織収縮」を実現したメカニズムを提案しています。
具体的には、
- 既存の脂肪吸引だけでは得られにくい 皮膚下・中間組織の引き締め が観察された
- 収縮径の測定、手技前後の線維構造の変化などが報告されています。
論文②:Effects of Bipolar Radiofrequency on Collagen Synthesis from Patients with Brachial Ptosis
この2023年の研究では、上腕の皮下たるみ(brachial ptosis)を有する患者に対し、二極性RF+脂肪吸引を併用し、術前・術後に皮膚下組織の組織生検を行って「繊維芽細胞活性化・コラーゲンタイプI/IIIの増加」「HSP47(ヒートショックプロテイン)活性の増加」を報告しています。
要点としては:
- HE染色・Masson trichrome染色で “薄型線維(タイプI・IIIコラーゲン)” 増加が観察された。
- 分子レベルで HSP47 活性化と繊維芽細胞の増殖が認められ、皮膚再構築が進んでいることが示唆された。
この論文は「熱/RF刺激 → コラーゲン再生」というメカニズムの最新データとして非常に有効です。
これらを踏まえての “クォンタムRF” の優位性
- 内部挿入(カニューレ)+高周波による深部加熱という設計により、浅層(真皮)だけでなく皮下・脂肪層・繊維隔壁ネットワークなど複数レベルへアプローチできる点。
- 脂肪除去(または脂肪層処理)+皮膚引き締め治療を同時に行うことで、たるみ・凸凹を防ぎ、滑らかさ・引き締まりを高める設計。
- 組織学的データ(上述論文)により、「熱収縮+コラーゲン再構築」の両面メカニズムが裏付けられており、単なる脂肪減少・表面加熱型RF治療との差別化が可能。
よくある質問(FAQ)
Q1. 何回施術が必要ですか?
→ 多くの場合 1回の治療で効果を実感できます。クリニック紹介でも「基本1回」+術後観察数回としている例があります。
ただし、部位・たるみ具合・脂肪量・併用手術の有無によっては 複数回を提案されることがあります。
Q2. ダウンタイムはどれくらい?
→ 内部カニューレ+熱照射のため、腫れ・むくみ・内出血・鈍痛・つっぱり感・拘縮などが生じ得ます。通常は数日〜1週間以内に落ち着く傾向。
ただし、脂肪吸引を併用した場合はダウンタイムが長くなる可能性があります。
Q3. 脂肪吸引をしなければクォンタムRFだけでも効果ありますか?
→ はい、クリニック紹介では「クォンタムRF単体でも、部位・条件により約20%の脂肪減少が期待できる」と明記されています。
ただし、「脂肪量が多い」「皮膚のたるみが高度」というケースでは、吸引との併用でより良い結果を得やすくなります。
まとめ
切らないボディ・フェイスライン引き締めを目指すなら、クォンタムRFは非常に魅力的な選択肢です。特に、「脂肪吸引したけれどたるみが心配」「部分的な脂肪を減らしたいけれど仕上がりの肌のたるみが不安」といったニーズに対して、内側からの熱収縮+コラーゲン再構築というメカニズムでアプローチできる点が強みと言えます。
もちろん、すべての方に万能というわけではなく、脂肪量・皮膚弾力・たるみの程度と治療部位によって適否があります。まずは信頼できる医師による診察・撮影・デザイン・リスク説明をしっかり受けて「自分にとって最適なプラン」を立てることをおすすめします。
参考文献(References)
- Paul M, Blugerman G, Kreindel M, Mulholland RS.
Three-Dimensional Radiofrequency Tissue Tightening: A Proposed Mechanism and Applications for Body Contouring.
Aesthetic Plastic Surgery. 2011; 35:87–95. - Hamadani F, Vranis NM, et al.
Effects of Bipolar Radiofrequency on Collagen Synthesis from Patients with Brachial Ptosis.
Aesthetic Surgery Journal. 2023. - Kreindel M, Mulholland S.
The Basic Science of Radiofrequency-Based Devices.
In: Energy-Based Treatment of Tissue and Skin. Springer, 2021.









