二の腕のたるみに対する「クォンタムRF(Quantum RF)治療」|RF波の有用性の論文紹介#0018








| 診療科目 | 機械 / ボディ脂肪吸引 |
|---|---|
| 施術名 | 二の腕脂肪吸引 / クォンタムRF(puontumRF) / エルサ(LSSA) |
| 料金 |
二の腕脂肪吸引:¥198,000〜¥990,000 クォンタムRF(puontumRF):エルサ・クォンタムかけ放題 ¥366,000 エルサ(LSSA):エルサかけ放題 ¥165,000 |
| ダウンタイム | ダウンタイム2週間-3ヶ月 |
| リスク/副作用 | 術後には浮腫、内出血、拘縮、疼痛、凸凹、傷感染等が出現する可能性があります。経過で不安を感じた方はすぐにご連絡下さい。 |
はじめに
二の腕のたるみは、加齢や脂肪の蓄積、皮膚・皮下組織の弾力低下によって悩まれる方が多い部位です。痩せても皮膚がゆるんで「振り袖」のように揺れる状態は、部分痩せだけでは解消しきれないこともあります。そこで、たるみの原因となる「皮下脂肪+皮膚・結合組織のゆるみ」に対して、最新の引締め治療として「クォンタムRF」が注目されています。
クォンタムRFとは?
機器・技術概要
- クォンタムRFは、米国 InMode 社が開発した最新ボディ・フェイスライン引き締め機器で世界中のトップドクターが使用しています。
- 細いカニューレ(皮下挿入チューブ)を用いて、皮膚表面を切開せずに皮下深部(顔/首では5〜10 mm、身体部位では5〜25 mm、最大50 mm)までカニューレを挿入し、内側から高周波(RF)エネルギーを照射して脂肪・結合組織に熱を加える施術です。
- 世界的にはスタンダードな治療になりつつありますが導入のコストが高く、利益率がよくないので日本で導入しているクリニックはまだ3院しかありません。当院は国内2院目の導入院になります。
主な特徴・メリット
- メスによるリフト手術に比べ、体への負担・ダウンタイムが少ないのが特徴です。
- 脂肪減少+皮膚・結合組織の収縮(タイトニング)を同時に狙える点がポイント。上記紹介ページでは「脂肪層5mm以上ある部位で約20%の脂肪減少も期待できる」と言われています。
- 特に「脂肪吸引後に生じるたるみ」や「削りすぎで皮膚がたるんでしまうリスク」に対して、内側から引き締める役割として有効とされています。
※クォンタムRFの詳しい記事はこちらをご覧ください。
クォンタムRFを使用した二の腕脂肪吸引の症例紹介
症例概要
- 患者属性:25歳女性、二の腕の振りそでの脂肪が気になり来院。限界まで脂肪を吸引したいがたるみはなるべく出したくないとのこと。
- 施術内容:二の腕全周・肩・肩甲骨上下、脇肉・副乳のエルサ脂肪吸引+クォンタムRFを実施(または脂肪吸引併用のケースもあり)。
- 施術直後~数週間後:施術直後から「キュッと締まった」感覚を得る方が多く、数週間かけてコラーゲン再構築による肌のハリ・弾力改善を実感されます。
- 3〜6ヶ月後の変化:たるみが引き締まり、二の腕の輪郭がすっきり。振り袖状のたるみが軽減され、腕を振ったとき・横から見たときのシルエットが改善。
- ダウンタイム・副作用:腫れ・むくみ・内出血・皮膚のつっぱり感などが数日〜1週間程度。術後の拘縮は2〜4週間がピークで徐々に落ち着きます。
※LSSA(エルサ)脂肪吸引についてはこちらをご覧ください。
術後2ヶ月
術前は振袖の脂肪が多く、力こぶを作った状態で弛んでいる印象が強いです。
前面は皮膚が薄いので脂肪吸引が難しい部分で凹みなどが出やすいですがしっかり限界まで吸引しても滑らかな仕上がりになっています。


後面は力こぶのポーズをした時に特に付け根が凹みやすいですでこぼこ感のない仕上がりになっています。
術後2ヶ月でたるみも出ず真っ直ぐストレートになっているのがわかります。


なぜクォンタムRFが二の腕のたるみに効くのか?
- 二の腕のたるみは「皮膚・皮下脂肪・結合繊維(ファイブロセプタルネットワーク:FSN)・筋膜との連結」の構造がゆるむことで生じるため、単に脂肪を減らすだけでなく「組織を内側から収縮させる」アプローチが有効です。
- クォンタムRFでは、皮下に直接熱エネルギーを届け、脂肪を溶解・減少させるだけでなく、結合組織を収縮させて肌のゆるみを改善する点が魅力です。
- また、カニューレ挿入式のため、より深部かつ広範囲にアプローチ可能で、「たるみ+脂肪」の悩みを抱える部位に適しているといえます。
RF(高周波)引き締めのメカニズムと論文によるエビデンス
メカニズム解説
高周波(Radio Frequency:RF)治療では、電気エネルギーを細胞・組織に伝えることで熱を生じさせ、①既存コラーゲンの収縮/②創傷反応による新生コラーゲン生成・線維化収縮を誘導します。
- 細胞・組織の電気抵抗(インピーダンス)により熱が発生し、脂肪や結合組織が加熱・収縮。
- コラーゲン線維が65℃前後の温度にさらされると水素結合が変化し、即時の収縮が起き、その後3〜4ヶ月かけてコラーゲン生成・再構築が進行。
- 表皮・真皮層・皮下脂肪・結合組織といった複数層に影響を及ぼし、皮膚のハリ・引き締め・脂肪減少という複合的効果が得られます。
論文によるエビデンス
- Aesthetic Applications of Radiofrequency: Lymphatic and Perfusion Assessmentは、63例中37例でリンパ・血流評価を行ったところ、RF照射後も皮下血流・リンパ流が保持されており安全性を支持する証拠となっています。
- Radiofrequency‑Assisted Liposuction Compared with Aggressive Superficial, Subdermal Liposuction of the Arms: A Bilateral Quantitative Comparisonでは、10例の女性で片側腕をRFAL、対側を従来の浅層脂肪吸引(SupL)で比較。1年後の減少率は平均22.6%(RFAL) vs 17.8%(SupL)という結果が出ており、二の腕部位におけるRFによる引き締め効果が定量的に示されています。
- また、前面皮膚表面積減少15.0%(RFAL) vs 10.9%(SupL)などのデータも報告されており、皮膚収縮率の高さが明示されています。
- さらに、近年のレビュー(Swanson, 2022)では、サブサーフェスRF治療(内部照射型RF)が「腕・体幹・首」などで使用されており、非侵襲的な治療ギャップ(手術までは要さないが従来の非手術では限界がある)を埋める有効な選択肢であると整理されています。
二の腕たるみに対するRF導入の科学的根拠
- 二の腕部位では、「皮膚のたるみ+浅い脂肪+結合繊維ネットワーク(FSN)のゆるみ」がセットになっていることが多く、脂肪吸引単体では皮膚の弛みをカバーできないケースがあります。
- よって、「二の腕のたるみを“ただ脂肪を減らす”のではなく、“内部から組織を収縮させて引き締める”」という観点から、クォンタムRF(内部照射型RF)が理にかなった選択肢と言えます。
まとめ:二の腕たるみにはクォンタムRFが有効な選択肢
二の腕のたるみに対して、脂肪だけでなく皮膚・結合組織のゆるみを含めてアプローチできる治療として、クォンタムRFは理論・実例・論文ともに裏付けがあります。
施術直後から数週間で引き締まり感を得やすく、数ヶ月かけて肌のハリ・弾力も向上。ダウンタイムも比較的少ない点もメリットです。
論文データでは、腕部で皮膚収縮22.6%という数値も報告されており、従来の浅層脂肪吸引よりも高い引き締め効果が示されています。
安全面でも、リンパ・血流維持の報告があるため、慎重な管理のもとで信頼できる治療と考えられます。
ただし、全ての“たるみ”が対象というわけではなく、極端なたるみ・皮膚余剰の大きなケースでは手術的アプローチを検討すべきです。クォンタムRFは「手術までは要さないが、通常の痩身治療では満足できない」中間的なケースに特に適しています。
引用文献
- Kreindel M, Mulholland S. The Basic Science of Radiofrequency-Based Devices. In: Duncan D.I. (ed) Enhanced Liposuction — New Perspectives and Techniques. IntechOpen; Mar 9 2021.
- Dayan E, Theodorou S, Rohrich RJ, Burns A. Aesthetic Applications of Radiofrequency: Lymphatic and Perfusion Assessment. Plast Reconstr Surg Glob Open. 2020;8:e3193.
- Chia C T, Theodorou S J, Hoyos A E, Pitman G H. Radiofrequency-Assisted Liposuction Compared with Aggressive Superficial, Subdermal Liposuction of the Arms: A Bilateral Quantitative Comparison. Plast Reconstr Surg Glob Open. 2015;3(7):e459.









